Don't Touch Me I'm Sick

処方薬、アルコール、咳止めシロップ及び合法ドラッグ依存症のクソみたいな通院履歴。

通院に至るまで

まず、俺は薬局で買えるあらゆる合法ドラッグ向精神薬物依存症だと、アルコール依存症だと、気がつかなかった。

全くと言ってもいいほど分からなかった。俺は「きちんと管理出来ているつもりで」、「尚且つ、たまに遊ぶ程度に」使用しているだけだ。そう思い込んでいた。

「実際は、1ヶ月に二十日以上は」していた。

酒なんて「”ほとんど飲んで居ないに等しい”、一日に350ml相当のジムビームを」除き。

まず、初めての薬物は、とかそんなのはあまりにも面倒だ。

俺はまず、思考がSickなだけで病気でもない。自分から、死のうと思っていた。

多分生きる気が無かったんだろう。何にも覚えてなかった。

昏睡した回数は片手で数える程だと本気で信じて居たが、「目を覚ましてストロングゼロでDXMをオーバードーズして流し昏睡」して起きて「ストロングゼロでDXMをオーバードーズして流し昏睡」し、挙句は「各種ドラッグを同時接種、何種類もの酒で流して三日以上昏睡」し、警察に保護され家に帰された1ヶ月後に、「各種ドラッグを同時接種、何種類もの酒で流して三日以上昏睡」したり。四日連続で寝ている以外はラリり続けて、1ヶ月の限界処方量を全部咳止めシロップで流し続けたり、完全に、死ぬ気でしか無い量だ。

片手が何本で数えているんだろう。俺は世界一の多指症なんだろうか?

本気で死ぬ気だったんだと思う。今思えば「”大した量はやってなかった。”一日最低でも10錠〜40錠のありとあらゆる向精神薬」を「”正常に”舌下、鼻からの吸引後にウイスキー350mlで流」し、「”咳を止める為”に、週に一度の咳止めシロップ1本を、多くて三日に一度や三日連続で」使用して居た。

 

病院に行く前に、乱用歴を書こうと、気軽に彼女に「ちょっとメモってー。」なんて言って、写真フォルダを見ているうち…俺はあらゆる記録を見て行くうち、自然と何度も彼女に「もう少しメモが続く。」と言ったことか。

俺は「1ヶ月、2ヶ月程度ラリってただけ」だと本気で思って居た。

記録は11ヶ月に及んだ。7度の通院でもらった錠剤の量は、ここには書けない。最早常軌を逸している。

俺は中島らものバンドオブザナイトが好きだった。まぁ、「真似するぐらい」には好きな程度だが。

冒頭の「ノルモレストが98錠、ベンザリンが56錠、ブロバリンが112錠。」とあった。まぁ、1ヶ月、これぐらいか、俺がしてたのは。と思った。その後に俺は、衝撃を受ける結果になった。見落としてはいない。決して違う、なぜならこの本はぼろぼろで何度も読み古したから。

「これを4人で分ける。」

マジかよ。俺はそれよりはるかに多い量を1ヶ月で接種している。

虚勢なんて全く無い。もう、俺は自分が怖くなった。

鏡を見た。彼女に「格好ええやろ?」と言っていた顔を見ると

「浅黒い隈、痩けた頬、痩せた体」が映っていた。

俺はハウスダストだと思っていた。

鼻水は「鼻腔吸引」から来る粘膜の悪化であると思うし、痰は「副作用」以外の何物でも無かった。

何故知り合いの方のエスさんがしきりに「君のことを愛してるよ、だから病院に行こうね。」

と言って来ているのか。

「毎日飲んだ薬を写真に、必ず毎日送って来てね。」

と過保護な母親のようにクドクド言うのか。それも、連絡をするたびに。

それは、俺がおかしいからに他ならなかった。

まず、病院に行くことから始めよう。

なぜ最近人が俺に優しくなったのか、誰も止めなくなったのか、みんなが会いに来たのか、はっきりと分かった。

俺は死ぬ寸前だったんだ。

落ち着いて記録することが不可能だった。かなりの時間が経過して、ようやく文章にすることが出来た。

生きているのが奇跡に思えた。

脳の仕組みがおかしくなっている。中島らものアマニタパンセリナの睡眠薬のページを読むと、そのページ内の薬物の名前と、その主成分だけはきっちり全て暗記している。

他の内容が入ってこない。ただ、効き方は知っている。それも、過剰接種した場合においてのみ。

 

俺は頭がおかしい。副作用で三日ほど、2時間程度しか寝れない毎日だ。

吐き気と体のだるさ、下痢、全部無視していた。まぁ、風邪でも引いてるんだろう、って。

彼女に言う内容全て嘘だった。

「まぁ、俺はそんなにはしてないよ。」

1ヶ月分の限界処方量の2種類の抗不安薬睡眠薬、咳止めシロップ2本を同時に接種し、4日間キマリっぱなしの後に、俺は彼女にそう言った。

頭のおかしくなってるやつの言い訳を、記録しておこう。俺は。で、基本的に文を終えている。彼女は?で終えていると思って欲しい。

 

「まぁ、2〜3ヶ月程度だって。1ヶ月のうちでもラリってたのは数日じゃ無いの。」

「へぇ、そう?じゃあ、見て行こう?」

「えーっと、まず始めに六月ね。このころにデパスが30錠入ったんだ。たまたまね。これを、えっと、うん、あれ。」

「どうしたの?」

「いや、まぁ、十日ぐらいかけて飲んだっけ。」

「本当に?」

「いや、三日で、ウイスキー700mlと同時に。」

「…えっ?」

「あー、まぁ、ウイスキーたまに飲んでたんだよ。」

「たまに?」

「じゃあ、どれぐらい飲んでたか見て行こうかな。」

「うん。お願い、正直にね?」

「あー、えーっと、まぁ、数日かな。一日一本も無茶して飲んでたのって。三日ぐらいじゃ無いかな。もうそこから飲んで無いかもね。」

「え?数日ってどのぐらい?」

「えーっと、そうだね、まぁ、四日とか。」

「三日じゃなくて?」

「うん。六日。」

ここから彼女のセリフが、?から!に変わっていく。

「本当は何日で、何本なの!!」

「常に2〜3本はストックしていた。1ヶ月毎日。」

「いいから。本当のことを言って!」

「5本。」

「あー、何本ストックして何ヶ月飲んでいたの?」

「六月から、お前に出会う十一月まで、毎日律儀に、いや、まぁ、抜いてた時期もあったけどね。」

「そう言うのいいから!」

「まぁ、だからさ、えーっと、うん。ほとんど毎日のように350mlを1本。5ヶ月間。」

「いい加減にしろ!」

「ごめんなさい。ほとんど毎日のように350mlを2本近く、5ヶ月間。ワインとビールも少し。」

「少しじゃねーだろ!」

「…。はい。」

「で、それで!なに!」

「それに向精神薬が。まぁ、咳止めシロップはたまにだね。週に一回の時もあればだいぶ抜いてた時もあって、みたいな。」

「一体、1つの質問に何回答えを聞かなきゃならないの!」

 

何故か俺は律儀に毎日写真を撮って載せていた。

多分、俺の中の何かが誰かに救いを乞うていたんだろう。エスさんに、その頃の写真を見せる機会があってから、会うたびに「精神薬のオーバードーズは辞めろよ?」と言われ、「いや、して無いっすよ。本当に。ありえないっすよ。」と繰り返していた。何故エスさんがしつこく俺にその言葉を言い続けていたか分からなかった。

写真を見ていると、あえてわかりやすい場所にクスリを置いていた。誰かに、捨てて欲しかったのかもしれない。でも、誰も捨ててはくれなかった。なぜなら、俺の嘘があまりにも巧すぎて、誰も疑えないようにしていたからだ。

俺と一緒に生活している彼女にも

「疑ってはいたけど、騙されきっていた。これが普通の量だって言い続けるから与えていたけど、信じられない量だったんだね。」

と言われた。

エスさんに言われた意味がここへ来てようやく分かった。

「私には嘘をついてもいいけど、医者には嘘つかないでね。」

見ていてよかった。俺は乱用どころの騒ぎじゃなかった。肝臓がイカレる量を毎日毎日やり続けていた。

俺はその発言にこう返した。

エスさんにも、医者にも、嘘は言いません。」

返って来た答えはこう。

「…。」

今ならこう返す。

「すいません、医者にも嘘を言うところだったし、騙し続けていました。」

そりゃ、沈黙が数十秒続いて当たり前だ。

とにかく、ゴールデンウィークが明けるまで強烈な離脱症状を耐えなければ。

俺はうつ病なんだと思っていた。

違った。

ただの、薬物乱用、アルコール依存症だった。

中島らも、オジーオズボーン、ブコウスキー、俺の好きな人とは程遠い人生を歩んでいたと思っていたのは、勘違いにもほどがあったのだ。

吐き気がする。これも離脱症状だろう。

「最近よく泣けたり笑ったりしているね。」

嘘なんだ。それも離脱症状から来る情緒不安定なんだ。

 

俺はいつも何かとお世話になっていたエスさんに痛烈に後悔した。

それから、彼女にいつも嘘をついていたと思ったら、うんざりした。

なのに、頭の中は睡眠薬や、抗不安薬のことばかりだ。未だに思い出してはニヤニヤする。

これが痛烈に後悔している態度だろうか?

エスさんの説得が、何度も何度も続き続けて、最終的に

「縁を切らせてもらう。」

と言う言葉がなければ、俺は死んでいただろう。

エスさんとクスリを転錨に架けて、俺はエスさんを選んだ。

それから、携帯の電源を落とした。俺はとにかく、嘘をつき続けているからだ。

MudhoneyのTouch Me I'm Sickから引用したこのブログのタイトルだが、とにかく今は俺に関わらないほうがいい。

ただの嘘つきだからだ。

 

今日が土曜日、明日が日曜日で、ゴールデンウィークがようやく明ける。

実際、良かったのだ。ゴールデンウィーク前にエスさんが電話で突然言ってくださって。

ゴールデンウィーク明けたらすぐに病院に行くこと。今までの乱用歴を、嘘偽りなく、絶対に、本当のことだけを言うこと。何があっても、嘘はつかないと約束出来るか?」

「出来ます。」

「医者の前だけでは嘘をつかないでくれ。他ではどうでもいい。」

「わかりました。」

「とにかく、署名しろ。紙に、書け。分かったな?」

俺は自分の彼女に乱用歴を告白したのだが、彼女の聞き取り作業がもし、他の誰かだったら、と思うと、俺は絶対に嘘を言い続けていただろうから、医者に行っても治らなかっただろう。

ゴールデンウィークが明けてからすぐに医者に駆け込む。もしそうじゃなかったら、離脱症状うつ病と勘違いし、俺は嘘の乱用歴を言い、死ぬまで治らずにキメ続けていたことだろう。

とにかく、俺は生かされている。

彼女が言い出した。

「まぁ、わたしも酒は抜いてるから。」

「なんで?昨日飲んでたのは?」

「わたしもか。酒辞めるわ。よく考えると、ほとんど毎日飲んでるわ。」

「ほとんど?」

「いや、毎日。」

彼女が酒を飲み始めたのは本当に2週間ぐらいだから、彼女も危なかったのだ。

俺に何かと言い訳をつけてはジムビームを飲みたがる。

俺たちは急いで家中にある酒をかき集め、写真を撮った。

「よし、この量が何ヶ月も減ってなかったら飲んでいいよね?」

「ダメだ、一生だ。それに、俺も一生、規定量、それも信頼出来る、エスさんに教えられた医者のものを飲み続けなきゃなんだ。」

「え?一生。」

「やばいな、俺たち、マジで。もうちょっとで共倒れするところだった。」

この嘘つき病が治ったら、もう、健全に、適切な量の酒を、いや、だから。

いつになったら治るのやら。

この時点で4440文字。

パソコンから、「お前は生きるべき人間だ。」

って声が聞こえてくる。

それと同時に脳みそでは

「どうでもいいだろ。」

って声が。

俺はパソコンから聞こえてくる声だけを信じることにした。

やっぱり、死んで墓場で眠るよりこうやって書いているほうが楽しいからだ。